なんでもやってみる。放送技術職をやっていたときに「東日本大震災」が発生。生き方を見つめ直し、地元へUターン。ご縁が繋がった末に飲食を経て、宿泊業の支配人になった。
赤羽 哲也
TETSUYA AKABANE
信州たかもり温泉 湯ヶ洞 御大の館 支配人
ドラム
多趣味すぎるところ(笑)
メディア技術を学んだ後に、地元にUターンして何でも挑戦してみるチャレンジャータイプ。笑顔が素敵で魅力的な人。怪談話も好きで、人と話をすることも大好きなコミュニケーションの達人。
小恋路(オレンジ) タルト屋さん
御大の館、支配人になられたということで1年目が終わるとのことですが、ここまでの仕事は何をされていたんですか?
元々は伊那市の高遠というところにいました。そこで生まれ育ち、そこから大学で東京に出て、メディア学を4年間勉強をして。放送の技術系で、テレビ局に入ったんですよ。約5年続けました。
そのあと長野県に戻って来られたんですか?キッカケとかがあって?
そうですね。きっかけは3月11日の東日本大震災でした。テレビの仕事もしていたので余計に情報が入ってきて都会ではなく地元に帰ろうと思いました。それで、地元に帰ってきて「伊那リゾート」に就職をしました。
それはご縁があったからですか?自分で選んで?
自分はアウトドアが好きで、スキー場の運営やキャンプ場を運営している会社が面白そうだったので自ら希望して転職しました。スキー場では、レストランの営業があったので調理師免許や、BBQのインストラクター資格を取得し、冬はスキー場、夏場はキャンプ場の運営に加えて、BBQの講師なんかもやるという仕事のスタイルで生活していました。
全く違う仕事に適応するってすごいですね。それは何歳ぐらいのときだったんですか?
27歳ぐらいのときですね。飲食や場所の運営だけでなく、工事部門みたいなところもあったので、工事に同行したりといろんな経験をさせてもらいました。
20代後半にして、面白い人生ですね。その後は、どのようなことをやっていたのでしょうか?
会社が分かれる形になって、その後色々なご縁もあり個人事業主として、伊那市で2店舗ほど居酒屋の運営をやっていました。しかし3年ぐらいしてコロナの影響を受けるようになりました。店をどうするかといった話の中で、再び今の会社(中央アルプスリゾート株式会社)に社員として戻ってくることになったんです。
それで戻ってきた、ということですね。それで去年の7月から高森町から指定管理を受けて、現在の役職に就かれているということですね。
「新しく指定管理を受けて宿泊施設を運営してみるけど、どうだ」みたいな話があって、それでやってみようと思い挑戦してみることにしました。飲食業やスキー場、キャンプ場の運営の経験はありましたが宿泊施設は初めてだったので挑戦の連続でしたね。
挑戦していく中で、改革したことや失敗したことなどはありますか?
意識して取り組んだ事として、経費の見直しをするところから始めました。サービス面では、好きな浴衣を選べるようにしたり、女性向けにアメニティを充実させました。また、飲食での経験を生かしグループ会社のラーメン屋さんの監修の元、御大の館の飲食スペースで「油そば」の提供を始めました。
さらにビジネスとしての利用もできるよう、働く人向けに平日の宿泊料金を新たに見直しました。実は、かなりお得にしたんです。安く泊まれて、食事も2食付いているみたいな。
これは、失敗ではないかもしれないですけど、やはり新たなことをはじめると昔からの常連さんからは、厳しい叱咤激励をいただいたこともありました。(笑)
でもやっぱり変えていくとこを出していかないと、新しいお客さんにも来て頂けないので。
この1年でたくさんの改革を実施してきているということですね。素晴らしいです。今後も何かやりたいことはありますか?
そうですね。これからリニアが開通したら、高森町は近郊の地域に比べると観光だけではなかなか人を呼びづらいというところがあって。「ビジネス×ちょっとした観光」「ワーケーション」みたいな形で平日も予約でいっぱいにしたいですね。今までは、年配の方がメインで利用されていた印象があるんですけど、若い人たちにもたくさん利用してもらえるような場所にしていけたらいいなと思っています。
余談ですが、自分はイベントが好きなので、コロナがもう少し落ち着いたらイベントなんかもやりたいです。
温泉に入ってあったまりながら仕事ができるって最高じゃないですか!(笑)イベントってどんなことをされるんですか?
実は、小さい頃から家族でバンドを組んでいるんです。父がギターやっていて、兄がベーシスト、妹がボーカルで、自分がドラムみたいな。今も活動しています。なのでライブみたいなのは昔からやっていて、楽しいので「何か」やりたいと思っています。あと自分も妹も稲川淳二さんがやられている様な「怪談話」が大好きで、兄妹ユニット【怪談兄妹】を組んで活発に活動(ケーブルテレビに出演)していた時期なんかもありました。(笑)
どっかのタイミングで、そんなこともできたらいいなと思ったりしています。
音楽一家ですね。(笑)良いですね、イベント。そういう催しは、地域の人たちも来やすいですからね。ちなみに1年間やられてきたお仕事の中で、楽しいと思える瞬間とかってどんな時ですか?
やっぱり新しいことをしているときですかね。自分自身が0から1を作るのが好きなんで。何か新しいことをはじめて、それが回り始めたときが楽しいというか。
それが、地域だったり、県外からのお客さんだったりに喜んでもらえる時が嬉しいです。
子どもの時から、新しいことをはじめるのが得意だったんですか?
子供の頃から、そうですね。バンドだったり、いろんなことに飛び込んでやってみることが好きだったのかもしれません。興味がさまざまなことにいくので多趣味なところもあったりしました。
その頃から、メディアのことやってみたいと思ったけど飲食やってみたり、アウトドアのことをやってみたりみたいなバイタリティがあったのかもしれませんね。他におもしそうなものがあったら飛びついちゃえっていう。
そうですね、根本的な生活は変わってない。(笑)今は、宿泊の部分を追求していくことを楽しみながらやっていますね。
良いですね、バイタリティが高くて話していてこちらまで楽しくなりました。(笑)また宿泊しに来た際には、よろしくお願いします。
是非、宿泊・お食事しに来ててください。都会に比べると、暮らしやすさもいろんなことへの挑戦しやすさもあると思いますし、更に面白い宿泊施設にしてお待ちしております。
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写真・文:Yusai Oku
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※本記事は2022年8月17日時点の内容を掲載しております