てしごとや 代表 吉沢さやか

てしごとや 代表 吉沢さやか

吉沢さやか

SAYAKA YOSHIZAWA てしごとや 代表
TAKAMORIJIN File No.013

吉沢さやか

SAYAKA YOSHIZAWA

てしごとや 代表

チョークアート

負けず嫌い

「何でもやってみよう!」というバイタリティの持ち主。「できない」ではなく「どうやったらできるのか?」を考えて、できる方法を探していく人。困った時は、素直に周りに相談をして道を切り拓いていく。絵を書いている時が一番楽しく、やりたいことを仕事にしていける。

自宅にある、柿ハウスの2階から見える雄大な景色

てしごとや 代表 吉沢さやか

本日はよろしくお願いします。チョークアートとお聞きしていますが、どのようなことをやっているのか改めて教えてください。

今までは、チョークアートのレッスンなどを開いていたのですが、コロナの関係でレッスンはお休みしています。2年前にコロナになったときに、お店の人たちが、テイクアウトがメインになったタイミングに合わせて、テイクアウト用のメニュー表を書くようになりました。

たまたまテレビを見ていたら、岡山の方だったかな、材料費のみで「テイクアウトの看板を請け負います」というのをやっていて、誰かが困ったときに私に何かできないかなと思っていた私は「これやってみたい!」と思って、テレビに問い合わせて岡山の人に連絡を取ったんです。

「長野の者なんですけど、私もやっていいですか?」と聞いたところ、許可をいただいて、私もやってみることにしました。

原材料のみ「110円でお引き受けします」と声をかけ、ボードを描かせて頂きました。

その活動が徐々に拡がっていったとのことですが、高森町をメインに活動されているのでしょうか。

そうですね、高森を拠点に飯田市・下伊那で活動しています。

他のところからもオーダーが来る時もあります。
その時はお話を伺って作成して郵送にてお送りするようにしています。

2年でこのクオリティはすごいですね。ちなみに、元々のお仕事はどういう仕事をしていたんでしょうか。

高校を卒業してからすぐに介護の仕事に就いて、結婚をきっかけに介護職を退職して、そのあと子育て支援の仕事をやっていました。

子育て支援の仕事をしながら、そこで絵を描いたりしていました。チョークアートの個展を見たこともあって。「学んでみたいな」と思って、この近くには教えてくれる方はいらっしゃらなかったので、安曇野に造形絵画をされている先生がいらして、そこに通って。

4年前から「てしごとや」という名前でチョークアートや他の活動をしていて、このチョークアートの仕事だけになったのは2年前からですね。

何でも興味を持ったらやってみるものですね。それがお仕事になっていて、まさに天職ですね。一番はじめのチョークアートは、何だったんでしょう?

レストランのボードが最初でした、子育て支援のときの会報に、手書きで挿絵を描いていたらたまたま見てくださったパスタやさんがあって、声をかけてくださって。
ここのお店との関係は、まだ続いています。
ずっと手書きのメニュー表を作らせてもらっているんです。

それは、ありがたいですね。それが続いているのも、いい関係性ですね。

そうなんです。はじめの頃は無料でやっていたのですが、描いているうちにお金をいただけるようになって、私の描いたメニュー表を見た人が、「どこの人が描いているんだろう?」とお店に質問するようになって、私の存在が拡まっていくことになりました。面白い拡がり方をしていきましたね。

黒板意外にも描かれていますよね?どんなものに描かれるのでしょうか?

今は、布や黒板、壁など、いろんなところに描かせて貰っています。なかなか大変なものもあったりするんですけど、描いている時は、悪戦苦闘しながらも楽しくやっています。

元々は子育てというか福祉というか、そういう領域にいらっしゃって。絵を描いていたら、誰かに認められて、それがいつの間にかちょっとずつ自分のやりたいことかなと思って、そっちに舵を切ったら少しずつお仕事になっているということですね。

説明ありがとうございます。完璧です、それです。(笑)

なんでも興味を持ってみたらやってみる重要性をひしひしと感じます。(笑)いろんなことに挑戦するバイタリティの高い、吉沢さんだということは理解したのですが、今までやったことがない素材に描いてみたいとか、これからやってみたいことは何かあるのでしょうか?

海外でよくあるアスファルトのサプライズの絵、だまし絵みたいなものがあるじゃないですか。トリックアートというのかな?立ってみたら、山の頂上にいた、とか、ここから向こう側は海だったとか、そんな絵を描いてみたいと思っています。それを大きなアスファルトの上とかで、やってみたいと思っています。

そうなんですね。それは、大作になりそうですね。

あと今よくあるじゃないですか。VRといって空中に絵を描くという装置。そうではなくて、本当に簡単に、空間へ絵が描けたらおもしろいなと思っています。あれを高森町でも出来ないかなと思っています。

すごい発想です。(笑)本当に挑戦しようとする気持ちが溢れ出ていますよね。素敵です。2年前から、始めたということでご家族はどういった反応をされているのでしょうか?

家族の中で、手がかかるのは私です。みんな、私が好きにやっているので、一番上の長女が、私の代わりをやってくれているんですよ、長女は本当に料理がうまいです。

家事をしてくれているんですね。

今では、食事関係は長女が作ってくれています。本当に頼りになります。(笑)

高校生ですか?大学生ですか?

長女は、高校生です。一番上は男の子で大学生です。小中高大と子どもが4人いますね。

家族の構成だけ聞いても、吉沢さんのパワフルさを感じ取ることが出来ますね(笑)家族がチョークアートのサポートをしてくれている、応援してくれている状況なんですね。

間に合わないときには、ちょっと来てもらって手伝ってもらうこともあるぐらいです。(笑)

いろいろな街を周って取材などをしていると、文字のフォントが手書きじゃないと出せないフォントに出会うことがあるんですよ。「スナック」の看板とか?現代は、どちらかというと、パソコンに入っているグラフィックでデザインを起こしたりするので、同じようなフォントになってしまうので、手書きで表現しているのが素敵ですよね。

さっと字を見ると、同じだなこれって、手書きじゃないなとすぐわかります。味がありますよね。そういうのもおもしろくて、世界に1個しかないんですよ。本当にそうで、「ここにしかない」という感じです。思いっきり私はそうです。さやかフォントですね。(笑)

最近では、信濃比叡(阿智村)のご朱印帳の御朱印にもイラストをデザインさせていただいたりしています。なかなか可愛いのが出来ました。これを見ていた印刷会社の方が何かをつくりたいと言ってくださって、今はマグカップのデザイン制作もやっています。

すごい。何が起こるかわからないですね。本当に多岐にわたって、いろんなところにイラストをアートされているのがわかりました。タネをまいてたら、波及していく感じですね。

そうですね、そのタネから芽が出る感じがいいんですよね。

元々は、絵が好きだったんですか?

絵は、小学校とか小さい頃は描きませんでした。私は大嫌いで、真逆だったんですよね。
保母さんを泣かせていました。

うちのお母さんとか参観日に来ると、絵が飾ってあるのを見て。

「なんで、さやかの絵だけは白いの」って母から言われたりして、全く描かなかったんですよ。それで、先生に怒られていたのを覚えています。

それでも、小学校6年生ぐらいの頃から文字を集めるのがおもしろくなって。なぜこの本の「あ」と新聞の「あ」は違うのだろう思ったりしました。

おもしろいですね。全然思いがけず、幼少期は絵を仕事に、生業にしているとは思ってもいなかったんでしょうね。人生どうなるか、わからないという感じですね。今日は、貴重なお話をありがとうございます。これからも活動を頑張ってくださいね。

これからも、なんでも挑戦したいと思っています。今日は、ありがとうございました。

--
写真・文:Yusai Oku
--
※本記事は2022年5月13日時点の内容を掲載しております